お客様に自信をもって出せるよう、

自分の気に入ったものにしたい。

-開発部 電子設計担当 課長 鈴木 

 

開発型企業としての中核を担うのが開発部です。

開発部で電子設計を担当する鈴木さんの入社時のエピソードなどをご紹介します。

ファミコンを買ってもらえませんでした。

 幼少の頃からPC6001というパソコンを使っていました。親戚からいただいたのですが、その当時パソコンなんて普通の家になんか無い世の中でしたので、身内にもそういうマニアックな方がいらっしゃって(笑)。その親戚の人が新しいのを買ったので、「古いの、あげるよ」と言うのでもらったような記憶がありますね。何せ幼少の記憶なので正確には覚えていないのですが、多分小学校に入った頃だったと思います。ファミコンが発売されたのもちょうどその頃だったのですが、買ってもらえなくって(笑)。

 買ってもらえないだけならまだしも、お年玉一生懸命貯めて買おうかなと思っても、何故か親の許可が降りなくて。結局小6~中1の頃に買ったような気がしますね。なので、友達みんながファミコンで遊んでいるときにパソコンをいじっていました。

高校は一応、電気ではなく機械学科

 実は受験した学校は電気学科と機械学科では電気学科のほうが偏差値が高く、それが理由で機械に。だからマシニングセンター(MC)も回していましたし、旋盤も使っていました。その頃はMCというのがいずれ当たり前の世の中になってくるだろうというので、学校でもMCだとか、あとはメカトロの基本みたいなことを教えるようになっていました。

 卒業後に就職した会社には12年ほどいたのですが、FA関係ですとか、あとは治工具関係の設計などをやっていました。1人1製品を担当して、そしてだいたい1設備担当するので、受注から設計まで、電気も機械と両方。全員が両方できる訳では無いので、他の人の案件を手伝ったりもしていました。

転職の背景は、新しいものを作りたかった

 ちょうど30歳頃だったと思うのですが、やはり誰でも将来を考える頃ではありますよね。その当時の状況は、会社の方向性的に新しい設計とか開発もなかなか無く、しかし自分は何かちょっと新しいものを作りたいなと思っていました。そんなとき、たまたま何の因果か知り合いから鈴木製作所で電気系の技術者を探しているという話がありまして、そして元々電気系のほうが自分は興味が強かった。

 高校の時にPC9801が出ていましたがまだ高くて買えなくて、16色のグラフィックボードとかも買うと10万円くらいしたけど自分で部品揃えて作ったりして、5千円位でできたのかな。そういう将来を考えていた時期とちょうど被った感じでした。

鈴木製作所に入社後は電気系一筋

 入社して最初は“ハトメミシン”という比較的大きな機種になるのですが、その改良からでした。元々はモーター1個でクラッチを使って全部の制御をしていたものなのですが、それをモーター3つに分けて、それぞれの機構を別々に動かすという制御を始めたタイミングで私が入社しました。本当に難しい機械で、それまでもギリギリ動いていたような・・・本当にみんな苦労されていたみたいです。

 特に電気制御的にはそれぞれ3つの各モーターに置き換えるので制御自体は楽になるのですが、結構出力が大きいものですからノイズが大きくて。でも結果的にその改良がうまくいってロングセラーになり、2017年まで製造されていました。

 

世界中で使われるが故の日米欧規格

 前職は設備関係でしたのであまり法律的な事は関係なかったのですが、鈴木製作所の製品は世界各国のプロからアマチュアまで様々な人に使われていて、家庭用品としての法律を踏まえて開発する必要があります。日本国内では電気用品安全法、アメリカのUL規格、ヨーロッパのEN規格などいろいろ必要で、慣れてしまえば要点要点だけ押さえれば大丈夫なものなのですが、その慣れるという事自体が大変でした。

全部ガラッと変わることだってあります

 初めて電子モーターで動いている刺子ミシンという機種があるのですが、電子モーターも結構パワーを食うモーターでノイズが結構出ていました。それが取れなくて取れなくて(笑)。元々一番ノイズが出るのがスイッチング電源なのですが、そのスイッチング電源メーカーさんと一緒に試験場で対策したり、ホテルにも戻らずにずっと試験場内に缶詰めみたいな状態になったりもしました。世界中どこを見ても無かった新しい機能のミシンでしたので、どう動かせば最適なのかも手探り状態から始まって、なので、2カ月に1回くらい電気設計もみな変わって、結局中の基盤なんかは確か8回くらい設計し直ししたと思います。

 当初はそんなに処理をさせるつもりのないCPUを選んでいたのですが、要求事項が途中で増えて処理速度が間に合わなくなったり。「あれは大変だった」とみんな口を揃えて言っています(笑)。

お客さんの要求を正確に聞き取ることの難しさ

 国内ではベビーロックという販売会社さんがあるので常に聞けるのですが、海外のお客様、特にアメリカやドイツの取引先と連携して製品仕様の確認を行ったり、それが日本での展示会の機会であったり海外まで出向いたり、だいたい年に2回程度はあります。「こんな機能もあんな機能も欲しい」と求めていけば確かに技術的にはできると思いますが、今開発している機種にとって本当に必要な機能なのか、見極めも大切です。あまりやりすぎても開発のスケジュールと費用だけがどんどん延びてしまうので。

お客様に自信をもって、自分の気に入ったものに

 

 「好み」と言ってしまえばそれまでかも知れませんが、操作感、外観、機能など、やはり自分も気に入ったものじゃないと自信を持ってお客さんには出せないなとは思います。もちろんバランスは必要ですが、結局開発スタッフ全体でデザインレビューして、いろんな意見を聞いたり言ったりして、みんなを納得させられるところもあれば、みんなから納得させられる事もあります。自分の意見にも自信はありますが、みんなの意見も信じています。ただ、私も粘りますので、言うチャンスがあればまた言います。当然ながら上司からもよく意見を求められる訳なのですが、質問されたことがきっかけで始まった議論なのにしょっちゅう意見が割れるのですが、でも上司も結局同じような悩みというか感覚なのだと思います。

 あとは、お客様の期待にお応えするためにもタイムリーに発売するということも重要なので、スケジュールが間に合うのであればいくらでもいいものをギリギリまで設計変更します。だから、納期優先でギリギリまではがんばりますね。

追い求めたい完成度は120

 将来自分の設計に変更を加えてくれる人が、できる限りやりやすいように仕上げたいです。昔に設備系の開発をしていた頃の経験なのですが、前任者が設計した設備の補修とかも当然発生する訳です。そうしますと、何がどうなっていのかがさっぱりわからないものって結構あったりします。特に電気的な事は機械的な事と違って見た目で分かりにいくいので、ソフトなんかは何書いてあるかさっぱり分からないという事もありました。なので、できる限りソフトも全部注釈を入れて、何がどこでやっているのか、後から見てもわかりやすいように作っています。結果的にその方が自分で後から設計変更する際にもわかりやすいですし、一つのこだわりかも知れません。

広くいろんな事をできるようになりたいので、何でもやりたい

 いろいろな仕事の種類がありますが、電気とか機械とか、広くいろんな事ができるようになりたいので、本当は何でも何にでも手を出したい。とは言え会社組織なので勝手にという訳ではないですし、もちろん我慢する場面もあるのですが、なるべく自分が探求しているところは最後まで自分でやり通すようにしています。「他に仕事が忙しいからどうしてもできない」とか、「他の人にやらせないと間に合わない」となりがちな場面でも何とかして自分でやれるよう、なるべく頑張っています。

 ただ、そういう場面でこそ誰かに任せながら育成していく立場になっているので、自分ばっかりやっちゃ駄目だなと日々反省し、必要に応じて対処しています(笑)。

社内のIOT化ももっと進めていきたい

 社内では僕がネットワーク管理者なのですが、一応工場内のマシニングセンター4台は今もうネットでつながっています。なので、私の席からMCが稼働しているのか停止しているのかが分かります。今のMCの場合はほとんどパソコンが入っているようなものなので、データを見るだけでどの部品を加工しているかもすぐ分かりますが、NCフライス旋盤ではまだそこまでわかりません。また、人の作業も全部クラウドに飛ばして、今どの作業をしていて、何が終わったのかというデータ収集を実験的に運用開始しているので、そういうのは全部社内で情報共有できるようなことにしていける段階にあります。まだまだちょっとずつですが、何とかこう全社的にそういうのをやっていきたいですね。

趣味は温泉とダーツとビリヤード

 最近自宅では普段極力電気の事はいじらないのですが、ネットの設定だとか、LANの構築だとか、親戚の家とか知り合いの家とか結構頼まれることが多くて。最初は自宅の家電の修理から始まりまして、乾燥機やら洗濯機やらテレビやらを直したりすることから始まって、その後にインターネットで出てくるちょっとした電子工作みたいなものをたまにやったりして、500円コンピューターの「ラズベリー・パイ」とかはちょっとはまりました。だから家でオシロスコープも20年くらい前から使っていますし、半田ごても会社のものよりも立派で電動ポンプ式の半田吸引機も持っています。昔はコンマ5ミリのチップ部品もはんだ付けできたのですが、今は老眼が・・・。つい1~2年くらい前まではロボット作ったりもしていたのですが、今は家ではYouTubeを見ているくらいです(笑)

 あとは温泉とダーツとビリヤードです。この東北はいい温泉が多いですし、山形はそういう意味ではとても便利なロケーションですし、もうかれこれずっと東北中を旅行しています。

ある日の鈴木さん

7:00 自宅を出発
7:30 出社 始業前に1日のスケジュールの確認
8:00 喫煙所でコーヒーを飲みながら愛煙家達と雑談
8:20 ラジオ体操・朝礼
8:30 課内ミーティング
課員の業務進捗の把握、停滞している業務の問題点に対する意見交換やアドバイス
10:00 社内のITインフラ強化の為に関係企業と打合せ
導入経費の試算とスケジュール策定
12:00 昼食 お昼はいつも会社で手配してもらっている仕出し弁当
味は賛否両論あるけれど、私はわりと好き
昼食後は喫煙所で愛煙家達と雑談
13:00 社内定例会議へ出席
14:00 新規開発業務 お客様のことを考えながら、試作部品を手作り
17:00 部署内の清掃と身の回りの片付け
17:20 今日の仕事のまとめと明日以降のスケジュールの確認して退社
18:00 帰り道にある温泉施設で1日の汗を流す
喉が渇いても、この後のビールまで我慢する
19:30

いつもの居酒屋で気の合う常連客とともに楽しく美味しい夕食

21:00 帰宅 趣味でやっている家庭内のITインフラの実験にいそしむ

※実際の業務から内容を抽出して再構成しています。

鈴木製作所の仕事を知る

-入社時エピソード-

開発部

- 部長 佐久間 -
やっぱり使ってくれている人がニコッと笑ってもらえるのが一番うれしい。

生産課

- 係長 五十嵐 -
成長を実感する機会と新しい事への挑戦

開発部 電子設計

- 課長 鈴木 -
お客様に自信をもって出せるよう、自分の気に入ったものにしたい。

包装機課 設計

- 主任 江口 -
機能は備えながらも高くない機械を提供をしていきたい

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